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2015.11.27 Friday
大津市での研修報告書です。今回のテーマは「内部統制と監査機能」。
3年前に受講する予定でしたがドタキャン、今年やっと受講することができました。
でも、3年前だったら、全く理解できなかったでしょう。(今回も怪しいけれど・・)
研修報告 「自治体の内部統制と監査機能」
11月24日(火)〜11月26日(木)公務員は極めて倫理観が強く、みな本当に真面目に働いている。
だから、全国の自治体で発生する職員によるトラブルや不祥事は
残念であるし、その分、社会的影響、市民に与えるダメージや不
信感も大きい。人間のする事なので完全にゼロにすることは難し
いが、どうすれば未然に防ぐ事ができるのか、その考え方や手法
を学んだ。また、議員の業務として、行政の仕事のチェックは重
要であるが、似た仕事である監査の視点から、どこにポイントを
置いてチェックすべきなのかを学んだ。○自治体の内部統制と監査機能 (関西学院大学教授 石原師)
内部統制とは、リスクを事前に予測回避し内部で問題解決すること。
予防と、早期発見⇒修正をすることが重要である。1人が不祥事を
起こせば、新聞に掲載され、家族、職場、市民に与える影響は甚大
である。だから、どうやって防ぐかについて日ごろから取り組む必要
がある。ミスや事件を皆無にすることは難しいが、どこまでゼロに近
づけるか、それにはまず、職場間のコミュニケーションが重要。平素
からの指導体制、注意できる環境、チェック機能を、良好なコミュニ
ケーション関係を保ちながら構築していくことが地道ではあるが大切
である。また、自治体においては首長が上意下達でモラル遵守を徹底
させるという手法ではなく、統制機能が効果的に発揮されるシステム
をつくっていくことが求められる。
リスク回避については、どのようなリスクが考えられるかを想定し、
費用対効果を考慮しつつ、発生しやすいリスク、発生すると影響が大
きいリスクなど、優先的に潰していくべき事象を選定する事が有効。
具体的には収賄、横領、交通事故、飲酒運転など。経済性・有効性・
効率性の3つのバランスを考えてどこに注力していくか的を絞る必要
がある。
公務員はそれ自体がステータスでなければいけない。プライドを
持って、明るく元気に前向きに仕事ができる職場環境、意識改革や
イノベーションができる職場環境を職員相互に構築していける組織に
すべきである。
監査・チェック機能は、議会議員に求められる重要な業務であるが、
その手法は形骸化している場合が多いと感じる。先述の経済性・有効
性・効率性を考慮して、最少の経費で最大の効果が発揮されているか?
各事業が自治体規模に合致しているか?法令に違反していないか?を
幅広い視点でチェックしていくことが議会議員には求められるもので
ある。
上場企業では株主総会で経営内容が公開されるが、自治体の決算資料
が詳細に市民に周知される機会は、現状満足な状態ではない。コンプラ
イアンスも含め、経営内容がわかりやすく伝わる方法が必要だと考える。
議員という立場で4年半の間行政を見てきてが、自身の会計に関する
知識不足を痛感する。行政経営は限られた貴重な税金をどのように使う
か、である訳だから、お金の流れや資産の在高などが理解できる素養が
求められると強く感じる。私はまだそれを見極められる力を備えていな
い。それでも他の多くの議員と同様にあらゆる業務にチェックの目を
入れていかねばならない。当面は、経済性・有効性・効率性の観点を
核として、犬山を取り巻く内外の環境・市長の方針・ガバナンスやリス
クの態勢・IT技術の利用状況・過去のデータなどを精査し、無駄が
ないか不足はないかを見ていきたい。○内部統制機能強化に向けた取り組みについて (豊橋市 丸山師)
豊橋市では平成23年から内部統制をシステムとして導入する取り組み
に着手している。
目的は、行政運営の損害や市民の信頼喪失を防ぐ組織作りのためである。
市役所は民間よりもリスクが多いということを職員に周知、その上で
業務リスクの洗い出しを行った。それを基に試行的に業務の文書
(業務フローチャート・業務記述書・リスクコントロールマトリクス)
を作成、アルバイト任用と賃金支給・現金出納・通知書発送の業務で
運用スタートした。このようなテストにより、基本的な事務の標準化・
リスクの見える化でミスの低減・異動の際の業務引き継ぎで効果が表
れた。
現在は監査法人の協力も得ながら1名の職員が内部統制の業務に
当たっている。
犬山市では、これほど全庁的な取り組みは困難、しかし、異動の際の
引き継ぎ書類のフォーマットなど、部分部分を切り取って業務改善と
リスク回避に向けた取り組みは充分可能と考える。業務改善については
以前提案したがその後は一向に進展していない。機会を見て改めて個別
具体的に改善策を提案していきたい。○自治体内部監査基準 (岐阜県 丸山師)
企業と自治体の監査の基準についての講義。残念ながら未熟な私にはまだ
理解が不能な内容だった。概ね国内外の監査基準、企業と自治体との
チェックポイントの違いなど。
議員として求められる視点は、何度も述べるが、経済性・有効性・効率性
について妥当かどうかの見極めであろう。議員の場合、それに加えて
地域性をどう織り込んでいくかが重要であるとも感じる。
地元への露骨な利益誘導は控えなければならないが、地域住民が議員に求
める仕事の一つとして、それは確実にある。開き直りではないが、専門的
な技術や知識がないけれど、市民の目線でチェックするという視点も必要
だと感じた。○監査事務局の共同設置にむけて (瀬戸内市長 武久師)
この12月議会で、岡山県の瀬戸内市と備前市が監査事務局を共同化
する議案を上程している。その過程についての講義。
当初赤磐市も含め3市で進んでいた話だが、赤磐市が抜けて人口4万人
の両市が共同設置に向けて動いた。従来の課題として、独立性の確保が
難しい・人的資源が少ない・専門性品質に問題がある・各自治体が長い間
孤立して実施しており自治体間で平準化されていないなど、小さな自治体
ならではの課題を抱えていた。名称の並びは備前市・瀬戸内市とし、事務
局は瀬戸内市、人員は両市併せて若干減でスタートするもくろみ。業務の
棚卸を行い、業務を年間通して平準化する事で、従来の繁忙期(決算関連
監査等)の課題はクリアするなど、ハードソフト両面で工夫している。
今回の事例は、自治体間の共同機関設置を監査事務局で実施する試みで
あるが、これは監査事務局にとどまらず、様々な部署で可能な取り組みで
あると確信する。この動きについてはこれからも調査して提案して
いきたい。○指定管理者監査と内部統制 (大阪市 重枝師)
大阪市の指定管理者に対する監査の取り組みの講義。大阪市では平成
26年に内部統制に関する規則を施行、その中で指定管理者に対する内部
統制も規定している。具体的には、委託している件については委託先の
内部統制基準に準ずるが、指定管理は自治体の内部統制が重要となり、監査
については、指定管理に関する部分について監査を行う事が出来る。具体的
な観点として、業務の有効性および効率性・財務報告の信頼性・事業活動に
関わる法令等の遵守・資産の保全の内部統制が保たれているかの4点。
これを基準に併せた手法でチェックしている。具体的な手法はこの場所
では割愛するが、チェックすべきポイントについては、監査よりも幅広い
観点で活動できる(と思われる)議員としては参考になる。
指定管理・委託・補助・・・、犬山市が外部に業務を託している事業は数
多く、今後も増えると予想する。この基準に照らして個々の事業を
見ていきたい。
以上
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